どうもサク男です。
これだけ地震が多いと地震対策はしておきたい。そう考える方がほとんどだと思います。
私の住む地域は東海地方ですので、常に東南海地震の脅威にさらされています。(といっても日本全国どこでもそうだと思いますが)
仮に住宅の耐震等級が3であっても、何が起こるかわからない時代ですので手放しに安心安全という訳にはいきません。
また、大手ハウスメーカーであれば、数々の地震対策を謳っていますが、地元の工務店はどうか?
地元の工務店で家を建てたいけど地震対策はどうしよう?
私のように考えている方も多いと思います。
そういった経緯から私は制震ダンパーの一つである「TRCダンパー」をとりつけることにしました。
制震ダンパーと言っても数々の種類がありますし、どれを選んだら良いのかはわかりにくいと思います。基本的にはその工務店で施工可能なものを選定すれば良いと思いますが、そうでない場合や費用の面から他を選定したくなる方も多いと思います。
制震ダンパーとは
制震ダンパーは家の中に設置し、地震のエネルギーを吸収する装置になります。耐震や免震とは考え方が異なります。ざっくりいうとこんな感じになります。
- 耐震→とにかく頑丈にして地震に耐える
- 制震→揺れのエネルギーを吸収して揺れを抑える
- 免震→地震の揺れを家に伝えない
制震ダンパーは性能的に耐震と免震の中間に位置すると言えます。またコストに関しても中間です。と言っても免震装置は数百万円はするので大きな開きがあります。
制震ダンパーの種類
その制震ダンパーですが、種類は大きく分けると3種類にわかれます。
- ゴムダンパー
- 鋼材ダンパー
- オイルダンパー
です。
それぞれの特徴を簡単に説明します。
ゴムダンパー(粘弾性ダンパー)
ゴム等の粘弾性体の力で地震の揺れを抑えます。地震のエネルギーをゴムが伸び縮みすることで熱エネルギーに変換します。私が採用したTRCダンパーの他、住友ゴムのミライエが有名です。
積水ハウスのシーカスもこのタイプとなります。というよりシーカスを製造しているのはTRCダンパーと同じ住友理工です。
ゴムなので繰り返し地震に強いというメリットがあります。
鋼材ダンパー
ゴムと同様に鋼板部が変形することで地震のエネルギーを吸収します。また、変形とは異なり金属流動(摩擦)を用いたものもあります。
変形を利用するEQ GUARD
金属流動を利用するミューダム
ゴムと比較し、効果が高いメリットがある反面、繰り返しには弱いというのが定説でしたが、各社繰り返しに地震に対応した商品を投入してきています。
オイルダンパー
自動車のサスペンション同様オイルの流動による抵抗で地震の揺れを抑えます。小さな揺れから大きな揺れまで抑えることができます。オイル漏れのリスクはあるものの大きな問題となることは稀でしょう。
(株)トキワシステム製のαダンパーExⅡは本数が必要なものの、施工が容易なメリットがあるとのことです。
TRCダンパーとは
ゴムを用いた制震ダンパー
TRCダンパーは先述の通りゴムダンパ―となります。自動車用防振ゴムで世界シェアトップクラスの住友理工が製造しています。エンジンの振動を抑える技術を住宅用のダンパーに応用しているわけです。
写真は積水ハウスのシーカスのものですが、ほぼ同じと考えていいでしょう。
ダンパー内部の高減衰ゴムにより地震のエネルギーを吸収します。
TRCダンパーの特徴
ホームページにはもっと記載がありますが、直接関係してくるところとしては以下があります。
- 高い制震性能
- 無料シミュレーション
まず制震性能ですが、変位量(地震時の建物の揺れ)を50%削減できる効果があります。
設置するだけで繰り返し地震に強い住宅とすることができます。
また、導入に際して、どれくらいの効果があるか未知数かと思います。それについては無料でシミュレーションを実施してもらえるので、導入するか否かの判断材料にすることが出来ます。
TRCダンパーのメリット・デメリット
実際に導入した私が感じたメリットとデメリットを記載します。
メリット
設計の自由度が高い
普通の木造住宅であれば、必要となるダンパーは計4本で取り付ける場所にもわりと自由度があります。
せっかくの注文住宅ですので、制震ダンパーを付けることで間取りが制限されては台無しです。
他のダンパーと比較し費用が安め
他社で見積もりを取っていませんが、日本経済新聞によるとミライエの金額は30万円とのこと。それと比較した場合では安く施工できています。
取り付けが容易という点が効いているのかもしれません。ミライエはその大きさから1人での設置は難しそうですが、TRCダンパーは筋交いと同様に施工するだけですので、大工さんは1人で大丈夫です。その分工賃を下げることができます。
シミュレーションと安心感
先述の通り、無料でシミュレーションをしてもらえます。
自分の家に付けたときの効果をデータとして見ることができたので、導入の決め手とすることが出来ました。付けたは良いが効果はいまひとつとなっても困りますので。
また、地震時の変異が50%以上抑えられるとのことで安心感があります。ただ、後述もしますが効果は地震が起きないと分かりませんし、「付けててよかった」と思うのは地震が起きたときでしょう。
ですので「高いお守り」のように考えています。
これはTRCダンパーに限らず、すべての制震ダンパーに該当することと思います。
デメリット
効果は控えめ(だけど?)
コストが低い分、他社の製品と比較して効果が見劣りする部分があるにはあります。
測定条件が異なるものの、ミライエやEQ GUARDが90%台なのを考えると50%というのは劣ると言わざるを得ませんが、こちらには数値上のマジックが有ることを考えなければいけません)
下記はミライエの低減率を示すグラフですが、630.2mmに注目してください。
630mmも柱が動いているわけです。そのような状況では住宅はほぼほぼ倒壊しているでしょう。倒壊しかかっているような住宅と比較すれば低減率が高くなるのは当たり前です。
評価の仕方や数字の出し方が違うということを我々消費者はよく考える必要があります。
とはいえ、有りと無しを比較すれば効果が有ることには違いないので、コストと性能のバランスを考え、各社で見積もりを入手するのが良いと思います。
無しと比べるとコストはかかる
当たり前ですが、設置しないのと比較するとコストはかかります。
予算が厳しい場合は削減する箇所となるでしょう。私は住んでいるところが東海地方ということもあって、ここを削るのは抵抗があり採用することにしました。
地震が起きないと効果はわからない
当たり前ですが、地震が起きないと効果はわかりません。しかも効果が分かるときは大地震が起きたときでしょう。下手をすれば自分が死ぬまでに地震が起きないかもしれません。
むしろそうなった方が良いのですが、その場合かけた費用が無駄になるというジレンマがあります。
まとめ
私はTRCダンパーを採用しましたが、続々と新製品が登場しています。EQ GUARDは2020年夏に発売された商品ですが、旧モデルより35%もコスト低減が成されているとのことです。
この分野も日々進化しているはずですので、検討中の工務店で採用可能な製品をいろいろ聞いてみるといいと思います。大抵はどの製品も施工可能だと思いますので施工費用とダンパーのコストを比較し決めるのが良いと思います。
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